相続の事例

親の他界で兄弟姉妹が相続問題でトラブルに発展する例は、富裕層だけではなく、一般家庭でも起こり得ることです。平成27年1月1日以後の相続から相続税の基礎控除が縮小されたことで、相続税の申告が必要になる家庭は以前に比べて大幅に増えます。これからは一般家庭においても相続のトラブルは他人事でない深刻な問題となります。特に注意が必要なのは、父親の死後に母親が亡くなる2次相続や、主な遺産G実家1軒の不動産だけで分割が難しい場合など、相続のトラブルは思わぬところに潜んでいます。

相続トラブル事例3

私たち家族で相続問題は起こることはないと多くの方々は思っていても、相続手続きでトラブルに発展してしまうことが多くあるのも事実です。以下では相続トラブルで良くなる3つの事例をご紹介します。

1)遺産が不動産のみで、分割が困難な状態

トラブルになるケースの多くが、実は「遺産分割」が原因です。
遺産が不動産のみの場合は、現金のように簡単に分けることができないため、トラブルの原因になりやすいものです。特に被相続人(亡くなった人)と同居していた相続人(息子や娘など)がいる場合には、モメ事に発展しやすいので注意が必要です。
通常の遺産分割の方法には、土地は相続人Aに預貯金は相続人Bに分ける「現物分割」、不動産の代わりに金銭等を支払う「代償分割」、分割が困難な不動産などの資産を売却して現金化し、現金を分割する「換価分割」の3つがあります。今回のように遺産が不動産のみの場合には「換価分割」が考えられます。

2)相続人の特定の誰かが、親の介護をしていた

相続人の特定の誰かが親の介護をしたり、面倒を看ていたというようなケースが特に相続トラブルに発展する原因です。介護をまったくしていない相続人が民法に沿った平等な遺産分割案を主張することで、お互いの不満が爆発し、相続トラブルに発展してしまうケースです。

3)被相続人が再婚して、前妻の子と後妻の子がいる場合

前妻と離婚後、子供と離れて暮らしていた夫が別の女性と再婚し、更に新しい妻との間に子供が生まれた場合、前妻・後妻の子であろうと、法律上は同じ権利が認められます。
夫の財産をどのように相続するかは相続人全員で話し合い(遺産分割協議)相続人全員が合意して決める方法になりますが、それぞれが有利な案を主張することで相続トラブルに発展してしまうケースがあります。

上記のような事態が想定される場合には事前にお近くの専門家に相談することが賢明です。